Chromeでは、複数のタブや拡張機能が個別に動くため、Windowsのタスクマネージャーなどで見るとメモリ使用量が大きく見えることがあります。
メモリ使用量が多いこと自体が、すぐに異常を意味するわけではありません。ただし、タブの切り替えが遅い、Chromeが反応しにくい、ほかの作業にも影響している場合は、Chrome内の設定や使い方を見直す価値があります。
この記事では、Chrome内で何がメモリを使っているかを確認し、タブ、メモリセーバー、拡張機能、バックグラウンド動作を安全に見直す流れを解説します。主にWindows版Chromeを前提にしていますが、Chromeのバージョンや利用環境によって、設定名や表示位置が異なる場合があります。
この記事で分かること
- メモリを多く使っているタブや拡張機能の確認方法
- 不要なタブを整理する方法
- メモリセーバーの確認方法
- 拡張機能とバックグラウンド動作の見直し方
- 設定変更後に効果を確認する方法
確認したい内容に近い項目から進めてください。
Chromeのメモリ使用量が多くなる主な原因
Chromeは、タブ、拡張機能、ページ内の処理などを分けて動かすことがあります。そのため、Windowsのタスクマネージャーでは、Chromeのプロセスが複数表示される場合があります。
プロセスとは、アプリの中で動いている処理の単位です。初心者の方は、細かい仕組みまで覚える必要はありません。Chromeは複数の作業を並行して動かすため、メモリ使用量が増えることがある、と考えると分かりやすいです。
タブやWebアプリがメモリを使う
Chromeでは、開いているタブの内容によってメモリ使用量が変わります。タブを開いているだけで必ず問題になるわけではありませんが、次のような使い方が重なると使用量が大きくなりやすいです。
- 開いているタブが多い
- 動画サイトやSNSを複数開いている
- Web会議を利用している
- ブラウザ上で動く文書作成や画像編集などのWebアプリを使っている
- 長時間使っているページがある
Webアプリとは、インストールしたアプリのようにブラウザ上で動くサービスのことです。文書作成、表計算、画像編集、チャット、Web会議などは、通常のページより多くの処理を行う場合があります。
拡張機能とバックグラウンド処理が動く
拡張機能は便利ですが、表示中のページ以外でも処理する場合があります。たとえば、ページの内容を確認する拡張機能、通知を出す拡張機能、パスワードや翻訳を補助する拡張機能などです。
複数の拡張機能が同時に動くと、それぞれが少しずつメモリやCPUを使うことがあります。また、Chromeを閉じた後も、一部の機能がバックグラウンドで動き続ける設定があります。
どの機能が原因か分からない時は、まとめて変更するのではなく、1つずつ確認することが大切です。
使用量が多くても問題とは限らない
Chromeが使用可能なメモリを活用しているだけの場合もあります。数字だけを見て、すぐに異常と判断する必要はありません。
見直す目安は、操作への影響です。
- タブの切り替えが遅い
- 入力中に反応が遅れる
- Chromeが応答しにくい
- ほかの作業にも影響している
目的は、メモリ使用量の数字を下げることだけではありません。設定を変えた後に、タブの切り替えや入力などの操作が改善したかを確認しましょう。
Chrome内でメモリを多く使う項目を確認する
最初から設定を変更するのではなく、まずChrome内で何がメモリを使っているかを確認します。原因の見当をつけてから対処すると、必要な設定まで変えてしまうリスクを減らせます。
Chromeのタスクマネージャーを開く
Chromeには、タブや拡張機能ごとの使用量を確認できるタスクマネージャーがあります。Windows版Chromeでは、次の経路で開けます。
Chrome右上の︙
→ その他のツール
→ タスク マネージャ
Chromeを開いた状態で、次のショートカットでも開けます。
Shift + Esc
OSや環境によっては、ショートカットが使えない場合があります。Chromeのバージョンや利用環境によって、表示名や操作経路が異なる場合があります。

メモリ使用量の大きい項目を探す
Chromeのタスクマネージャーでは、次の項目が表示されます。
- タブ:開いているページごとの項目です。
- 拡張機能:追加した機能ごとの項目です。
- GPUプロセス:画面表示や動画再生などに関わる処理です。
- サブフレーム:ページ内に埋め込まれた別の表示部分です。
- メモリ使用量:その項目が使っているメモリの目安です。
- CPU使用率:その時点で処理に使っている力の目安です。
すべての項目を理解する必要はありません。まずは、開いているページ名や拡張機能名を見て、メモリ使用量が大きいものがないか確認しましょう。
ただし、一時的に数字が大きいだけで原因と断定しないようにします。動画の読み込み中やページの更新中など、短い時間だけ使用量が増えることもあります。
タスクを終了する前に作業内容を保存する
Chromeのタスクマネージャーからタスクを終了できます。ただし、終了操作の前に、作業内容を保存してください。
注意したい点です。
- 入力中の文章が消える場合がある
- 保存前の作業が失われる場合がある
- 表示中のページが閉じる場合がある
- よく分からないシステム項目を片端から終了しない
- まず不要なタブから閉じる
原因が分からない時は、いきなりタスクを終了するより、不要なタブを通常の操作で閉じる方が安全です。
Chrome以外のアプリも同時に重い場合だけ、Windowsのタスクマネージャーでほかのアプリの使用量も確認します。この章では切り分けにとどめ、Chrome内の見直しを中心に進めます。
タブとメモリセーバーを見直す
原因を確認した後は、影響の小さい対処から順番に試します。まずは不要なタブを閉じ、次にメモリセーバーの状態を確認しましょう。
不要なタブを閉じる
Chromeのメモリ使用量が多い時は、開いているタブを見直します。すべてのタブを一度に閉じる必要はありません。作業に不要なものから確認しましょう。
- 同じ内容のページを複数開いていないか
- 後で読むつもりのタブが残っていないか
- 動画、SNS、Web会議のタブを開いたままにしていないか
- 使い終わったWebアプリのタブが残っていないか
不要なタブを閉じるだけでも、Chromeの動作が軽く感じることがあります。
後で読むページを保存してタブを減らす
後で読むページをタブのまま残していると、タブが増えやすくなります。ブックマークやリーディング リストに保存して、必要な時に開く形にすると整理しやすくなります。
タブを増やしすぎない方法や、後で読むページの保存先は、Chromeのタブを整理する方法で解説しています。
メモリセーバーを確認する
Chromeには、使用していないタブのメモリ使用を抑えるためのメモリ関連機能があります。次の経路で設定を確認できます。
Chrome右上の︙
→ 設定
→ パフォーマンス
「パフォーマンス」内に、メモリセーバーなどのメモリ関連設定が表示されます。設定名や表示位置は、Chromeのバージョンや利用環境によって異なる場合があります。

メモリセーバーは、使っていないタブのメモリ使用を抑える機能です。再度そのタブを開いた時に、ページが読み込み直される場合があります。
次のページでは注意してください。
- 入力途中のページ
- Web会議や音楽再生など、常時動作させたいページ
- 状態が変わると困る管理画面
メモリの抑え方を選べるモードが表示されます。「適度」「バランス重視」「最大」の3つが用意されている環境では、次のような違いがあります。
| モード | メモリ節約効果 | 休止するまでの時間 | 特徴・おすすめのケース |
|---|---|---|---|
| 適度 | 控えめ | 長時間放置したとき | タブを切り替えたときに再読み込みされる頻度を減らしたい場合 |
| バランス重視 | 状況に応じる | 最適な時間(PCの状況やパターンで自動調整) | Googleの推奨設定。空きメモリ状況や使い方のパターンに合わせて判断します |
| 最大 | 強力 | 短時間放置したとき | メモリ(RAM)容量が少なく、とにかく動作の重さを解消したい場合 |
※ 休止までの具体的な分数はGoogleのヘルプでは明示されていません。実際の休止タイミングは、Chromeのバージョンや利用状況によって変わる場合があります。
選択肢や表示名は、Chromeのバージョンや利用環境によって異なる場合があります。実際の画面で確認してから設定してください。
常に動かしたいサイトを例外にする
メモリセーバーを使う場合でも、常に動かしたいサイトは例外にできます。
パフォーマンス設定のメモリセーバー項目に「常にアクティブにするサイト」の欄があります。「追加」ボタンからURLを入力するか、現在開いているタブを選択して登録できます。Chromeのバージョンや利用環境によって、名称や表示位置が異なる場合があります。

例外を検討するサイトの例です。
- 音楽再生
- Web会議
- チャット
- ダッシュボード
- 管理画面
- 長時間入力するページ
ただし、例外に追加しすぎると、メモリセーバーの効果が小さくなる可能性があります。必要なサイトだけを選び、変更後に動作を確認しましょう。
パフォーマンス関連の通知を確認する
Chromeには、パフォーマンスの問題が検出された時に改善方法を通知する「パフォーマンスの問題に関するアラート」という機能があります。パフォーマンス設定の「全般」内で、オン・オフを切り替えられます。

通知が表示された時は、案内の内容を確認します。不要なタブなら閉じてもよいですが、作業中のタブやWeb会議など、必要なタブを機械的に閉じないようにしましょう。
設定の名称や位置は、Chromeのバージョンや利用環境によって異なる場合があります。
拡張機能とバックグラウンド動作を見直す
拡張機能と、Chromeを閉じた後に残る処理も確認します。便利な機能まで一度に消すのではなく、一覧を見て、必要性を判断しながら進めましょう。
拡張機能の一覧を確認する
拡張機能の一覧は、次の経路で確認できます。
Chrome右上の︙
→ 拡張機能
→ 拡張機能を管理
アドレスバーに直接入力して開く方法もあります。
chrome://extensions/

確認したい項目です。
- 現在使っていない拡張機能
- 似た機能の拡張機能
- 最近追加した拡張機能
- 必要以上に強い権限を持つ拡張機能
- 提供元や用途を思い出せない拡張機能
判断に迷う場合は、拡張機能の名前、提供元、権限、用途を確認します。拡張機能を安全に見直す観点は、Chrome拡張機能を見直す時の確認ポイントも参考にしてください。
拡張機能を1つずつ無効にして比較する
原因を調べる時は、拡張機能を1つずつ無効にして比較します。複数を一度に無効にすると、どれが原因だったのか判断しにくくなります。
基本の流れです。
- 1つの拡張機能を無効にする
- Chromeを再起動する
- 同じ使い方で変化を確認する
- 変化がなければ必要に応じて元へ戻す
変化を確認する時は、同じサイト、同じ数のタブ、同じ作業内容で比べると判断しやすくなります。
不要な拡張機能を削除する
無効化しても問題がないことを確認できたら、不要な拡張機能の削除を検討します。必要な拡張機能まで削除しないように注意してください。
削除前に確認したいことです。
- 後で再インストールできるか
- 拡張機能内の設定が消えないか
- 保存していたデータがないか
- 仕事や学習で必要な機能ではないか
不安な場合は、まず無効化のまま様子を見る方法もあります。
Chrome終了後のバックグラウンド動作を確認する
Chromeのウィンドウを閉じた後も、一部の機能がバックグラウンドで動き続ける設定があります。この設定が有効になっていると、Chromeを使っていない間もメモリやリソースを消費し続けることがあります。
設定画面から次の経路で確認できます。
Chrome右上の︙
→ 設定
→ システム
「Google Chrome を閉じた際にバックグラウンド アプリの処理を続行する」という設定があります。トグルをオフにすることで、Chrome終了後のバックグラウンド動作を停止できます。

オフにすると、次の動作に影響します。
- 通知
- 拡張機能
- バックグラウンドで動く機能
これらの機能を普段から利用している場合は、オフにした後も期待どおりに動作するか確認してください。必要に応じて、設定を元に戻すこともできます。
Chromeを再起動して最新版へ更新する
Chrome内の設定や使い方を見直した後は、再起動と更新も確認します。設定変更を反映したり、一時的な重さを解消したりする助けになる場合があります。
作業内容を保存して再起動する
再起動する前に、保存前の入力内容がないか確認してください。フォーム入力、文書作成、管理画面での変更などは、閉じる前に保存しておきます。
手順の例です。
必要な作業を保存する
→ Chromeを閉じる
→ 数秒待つ
→ Chromeを開き直す
Chromeを閉じたつもりでも、バックグラウンド動作の設定によって処理が残る場合があります。必要に応じて、前の章の設定も確認しましょう。
不要なタブをまとめて復元しない
再起動直後に大量のタブをまとめて復元すると、再びメモリ使用量が増える場合があります。
必要なタブから少しずつ開き、使い終わったタブは閉じるようにすると、変化を確認しやすくなります。後で読むページは、ブックマークやリーディング リストに移しておくと安心です。
Chromeの更新を確認する
Chromeの更新は、パフォーマンスだけでなくセキュリティ上も重要です。次の経路で確認できます。
Chrome右上の︙
→ ヘルプ
→ Google Chromeについて

この画面を開くと、更新の確認が行われます。更新後に再起動を求められた時は、開いている作業を保存してから再起動してください。
具体的なバージョン番号は環境によって変わるため、この記事では記載しません。
キャッシュ削除が必要か判断する
キャッシュ削除は、Chromeのメモリ使用量を減らす主要な対処ではありません。タブ、拡張機能、メモリセーバーを確認したうえで、表示不良がある場合に候補として考えます。
キャッシュはメモリ使用量の直接的な原因とは限らない
キャッシュは、主にストレージへ保存されるデータです。ストレージとは、パソコン内にデータを保存する場所のことです。
そのため、メモリ使用量が多いという理由だけで、最初にキャッシュを削除する必要はありません。まずは、次を優先して確認しましょう。
- Chromeのタスクマネージャー
- 不要なタブ
- メモリセーバー
- 拡張機能
- バックグラウンド動作
表示不良がある場合にキャッシュを削除する
キャッシュ削除は、次のような表示不良がある場合に候補になります。
- ページ表示が崩れる
- 古い内容が残る
- 特定のサイトだけ表示がおかしい
- 更新した内容が反映されない
詳しい削除手順は、Chromeのキャッシュを削除する時の注意点と手順を参考にしてください。この章では、メモリ対策としてキャッシュ削除を優先しすぎないことを押さえておきます。
Cookieとサイトデータを削除する前に確認する
Cookieやサイトデータを削除する前に、影響を確認してください。Cookieは、ログイン状態やサイトごとの設定などに使われるデータです。
注意したい点です。
- ログイン状態が解除される場合がある
- サイトの設定が初期化される場合がある
- 二段階認証やパスワードを確認してから行う
- キャッシュだけの削除と、Cookieを含む削除を混同しない
表示不良の対処でキャッシュを削除する場合も、Cookieやサイトデータまで含めるかは慎重に選びましょう。
改善しない場合の確認と避けたい対処
Chrome内の基本的な見直しで改善しない場合は、設定を増やしすぎずに確認します。原因を判断しやすくするため、条件をそろえて比べることが大切です。
同じ条件でメモリ使用量を比較する
変更前と変更後で条件が違うと、効果を判断しにくくなります。次の条件をそろえて比較しましょう。
- 同じ数のタブで比較する
- 同じサイトを開いて比較する
- 同じ拡張機能の状態で比較する
- 一時的な数字ではなく、操作の重さも確認する
- 変更前と変更後で条件をそろえる
メモリ使用量の数字だけでなく、タブの切り替え、入力、ページの反応なども確認してください。
効果のなかった設定を元に戻す
改善しなかった設定を残し続けると、必要な機能まで使いにくくなる場合があります。
確認したいことです。
- 変更した設定を記録する
- 改善しなかった設定を残し続けない
- 通知など必要な機能が使えなくなった場合は元へ戻す
- 一度に複数の設定を変更しない
1つ変更して確認し、効果がなければ戻す、という流れにすると安全です。
不明な高速化ツールを使わない
原因が分からない時でも、不明な高速化ツールに頼るのは避けましょう。意図しない設定変更や不要な削除につながる場合があります。
避けたい対処です。
- よく分からない高速化ソフト
- 怪しいメモリ解放ツール
- 不要なクリーンアップツール
- システムファイルの削除
- 内容を理解せず設定を大量変更すること
まずは、ChromeやWindowsの標準機能から確認する方が安全です。
Chrome以外も重い場合は別の原因を切り分ける
Chrome以外のアプリも同時に重い場合は、Chromeだけが原因ではない可能性があります。その場合は、Windowsのタスクマネージャーで、ほかのアプリの使用量も短く確認します。
ここでは、メモリ増設、パソコンの買い替え、ハードウェア選び、詳細なWindows高速化までは扱いません。Chromeの動作が遅い時の設定確認は、Chromeが重い時に見直したい設定も参考にしてください。
設定変更後の確認チェックリスト
最後に、記事全体の安全な確認順序をまとめます。変更内容を記録しながら、1項目ずつ結果を見ましょう。
変更した設定を記録する
設定を変更する時は、簡単なメモを残すと原因を判断しやすくなります。
記録する項目の例です。
- 変更した項目
- 変更前の状態
- 変更後の状態
- 改善したか
- 元へ戻したか
紙のメモでも、メモアプリでも構いません。後から戻せる状態にしておくことが大切です。
1項目ずつ結果を確認する
一度に複数の設定を変更すると、どれが効果につながったのか分かりにくくなります。
1つ変更したら、同じ条件でChromeを使い、タブの切り替えや入力の重さを確認します。効果がなければ元へ戻し、次の項目を試しましょう。
安全な順番で見直す
安全に確認する順番の目安です。
- Chromeのタスクマネージャーで確認する
- 不要なタブを閉じる
- メモリセーバーを確認する
- 拡張機能を1つずつ無効にする
- バックグラウンド動作を確認する
- Chromeを再起動する
- Chromeを更新する
- 同じ条件で変化を確認する
この順番なら、必要な機能を大きく変える前に、影響の小さい対処から確認できます。
まとめ
Chromeのメモリ使用量が多く見えても、数字だけで異常と判断する必要はありません。タブの切り替えが遅い、入力が重い、Chromeが応答しにくいなど、操作への影響があるかを確認しましょう。
見直す時は、まずChromeのタスクマネージャーで原因の見当をつけます。そのうえで、不要なタブ、メモリセーバー、拡張機能、バックグラウンド動作の順に確認すると安全です。
変更は1項目ずつ行い、同じ条件で改善したかを比べてください。キャッシュ削除は主要なメモリ対策ではなく、表示不良がある場合に検討します。不明な高速化ツールは使わず、ChromeやWindowsの標準機能から落ち着いて確認しましょう。
